夏をつかまえる
『夏をつかまえる』
――ここキャッツ村では妖精もいるけど,普通 の昆虫もいて,子どもたちは昆虫採集もする,と。
まる「そうそう。妖精と昆虫は仲がいい。お話しもできる」
――この絵も,作者の子どもの頃を反映している?
まる「小学校の頃,鹿児島に帰省した時,じいちゃんがまるまると太ったカブトムシをつかまえてくれたことがある。はじめて見るような,それは大きいカブトムシでした」

――そのカブトムシはどうしたの? ぼくは昆虫がかなり苦手だから,昆虫採集は……あ,思い出した。田舎にいた頃,オニヤンマとシオカラトンポをつかまえて,両手にもって闘わせてみた。オニヤンマがシオカラを頭からばりばり食べちゃった。
まる「子どもの頃は,そういうことをするんだよ〜。わたしはそのカブトムシは放してあげたよ。オオクワガタもとってもらった」
――オオクワガタ! デパートで売れたんじゃないの? いまの田舎のおじい・おばあのちょっとしたアルバイトは,虫取りらしいよ。