海中行
『海中行』
――これはめずらしい,海の中の絵。
まる「海中っていうのも,いろんな生き物がいていいじゃないですか」

――たしかに,クラゲとかタツノオトシゴとか。ヒレの長い魚もいいね。この魚も永尾まるの持ちネタっぽいね。
まる「小学生の頃からずーっと持っている海の生き物図鑑があるの。もうボロボロなんだけど」

――それはすごいね。今でも読んでるの?
まる「むかしっからその図鑑を眺めるのが好きで,今見てみると,生き物のバリエーションごとに印がつけてある」
――ん? どういうこと? バリエーションごと?
まる「たとえば,カサゴっていう魚がいるでしょ。図鑑にはカサゴでも色んな種類のカサゴが載っていて,その種類ごとに○とか×とかをつけてるの。どうも小学生のわたしは,その好き嫌いを印につけていたみたい」
――そのことは覚えていないワケね。
まる「そう。なかには△印もあったりして,ナニ考えてたんだろうわたし」