山おろしの風
『山おろしの風』
――この絵は,周囲の飾りがおもしろい。
まる「ちょっと忘れちゃったけれど,飾りの紋様がすきなんですよ。ケルト紋様とか。で,それっぽくしたいので,絵の周りをかなり凝ってみてますね。わたしの中のマイブームだったんです」
――それは今でもそうじゃない? 今でも絵の中に紋様っぽいモチーフがよく出てこない?
まる「まあ紋様好きですからねえ。ただ,最近は前面 に押し出さないよう,さりげない感じで使うようにしています」
――左下の小屋のあたりを解説してください。
まる「嵐でネズミの家の屋根が
壊れたので,簑をつけた妖精がそれを修理しているところです」
――笠と蓑をつけた妖精ってのはいいね。妖精ってさ,なんだか西洋っぽくなるのが普通 だけど,永尾まるの妖精はどこか和風なテイストがあっていい。
まる「あんまり記号っぽい妖精よりも,オリジナリティのある感じにしたい。だってさ,妖精って個人個人で見え方が変わってもいいでしょ? 自分っぽいほうがいいと思って」
――その意見はよくわかる。どんどんオリジナルな生き物を出して,独自の世界をつくりあげてください。